秋の静けさに、あの頃の京都を重ねて

つい一週間前まで「暑いね」と言っていたのに、今朝の空気はすっかり秋の冷たさ。時計が示す19.8℃が、肌に触れる風の冷たさとぴったり重なって、季節の変わり目を実感する。ようやく紅葉が楽しめる時期になった。
紅葉といえば、コロナ禍の頃を思い出す。GO TOトラベルを使って、何度も京都へ足を運んだ。人が少なく、静かな寺社の境内。夜の清水寺では、青い光が空を裂くように伸び、燃えるような紅葉が闇に浮かび上がっていた。
あの時、カメラをフルサイズのミラーレス「EOS RP」に買い替えた。紅葉の色も、夜の光も、空気の揺らぎも、すべてを残したくて。RPの軽さと深みが、旅の記憶をより鮮明にしてくれた。
五重塔のある庭園では、池に映る紅葉が風に揺れて、空の色まで染めていた。観光客が少ない分、風の音や足音まで聞こえるような静けさがあった。今では、京都はすっかり外国人観光客で賑わっていて、あの頃の静かな秋はもう遠くなってしまったように感じる。
でも、コロナも悪いことばかりじゃなかった。 日常が止まったからこそ、自分の中にある「撮りたい」「残したい」「歌いたい」という気持ちが、より鮮明になった。EOS RPで撮った写真には、記憶と記録が重なっていて、今も見返すたびに、あの静かな京都がよみがえる。
今年の紅葉は、熊本の空の下で静かに味わいたい。 立田山、水前寺公園、五家荘…遠くへ行かなくても、秋の美しさはすぐそばにある。誰もいない校庭の銀杏並木、夕暮れの河川敷に舞う落ち葉。そんな風景を、またEOS RPで切り取って、言葉にしてみたい。
あの頃の京都は、もう戻らないかもしれない。 でも、心の中に残っている風景は、今も静かに息づいている。 秋の静けさに耳を澄ませながら、また新しい記憶を紡いでいこうと思う。




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