夕方、家の近くの交差点に高所作業車が止まっているのが見えた。
「もしかして…」
発災の火曜からずっと消えたままだった信号。
暗いままの交差点を、みんな慎重に譲り合いながら通っていた。
よく事故が起きなかったものだと、何度も思った。
作業員さんが腕を伸ばし、何かを調整している。
その瞬間、ふっと——
灯りが点いた
ああ、帰ってきた。
たった一つの信号なのに、胸の奥がじんわり温かくなる。
「日常って、こういう小さな灯りの積み重ねなんだな」と思った。
災害で止まっていた時間が、少しだけ動き出した気がした夕方。
信号が復活しただけの話なんだけど、
それだけで街が少し明るく見えた。





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